■自民党総裁選報道についてのアピールにご賛同ください…自民党総裁選を「軍拡・改憲キャンペーン」にさせるな― 自民党総裁選の「メディアジャック」に抗議し、メディアと国民に訴える ―
■自民党総裁選を「軍拡・改憲キャンペーン」にさせるな
― 自民党総裁選の「メディアジャック」に抗議し、メディアと国民に訴える ―
自民党総裁選は9月12日告示、27日投票で行われる。私たち「マスコミ9条の会・有志」は、「メディアジャック」と言われる現状の報道が、結果的に、総選挙を前にした「自民党の政策キャンペーン」になることを恐れ、メディアと広く国民に訴えます。
8月14日表明された岸田首相の総裁選不出馬は、11人とも12人とも言われる候補者を生み出し、あたかも自民党が自由で、民主的な政党であるかのような印象操作を生んでいます。
メディアも、多数の「候補者」の言動を報じる中で、一般読者や視聴者に、批判され続けてきた自民党政治が、「清算」され「若返り」し、「刷新」されるかのような錯覚を与えています。
私たち「マスコミ九条の会・有志」は、この状況についてメディアに、「自制」と「改善」を求めるとともに、メディアの「受け手」である全ての国民のみなさんに、報道に惑わされず、「金まみれ」「軍拡・戦争準備」の自民党政治に批判の声をあげていただくよう、呼び掛けます。
岸田内閣は、米国の強い要請の下で、一昨年の「安保3文書改定」以来、安倍政治を引き継いで、首相みずからが「戦後安保政策の大転換」とよぶ「軍拡・改憲」政策を、矢継ぎ早に進めてきました。具体的には、「拡大抑止」と呼ぶ「核廃絶」に背を向ける米戦略の下で、「専守防衛」は「敵基地攻撃」で突き崩され、日本を「西側の兵器廠」としかねない防衛産業の育成、強化や、自衛隊をも事実上米軍の指揮下に置こうとする指揮権合意によって、「米国とともに戦争する国」への障碍が次々と突き崩されています。「専守防衛」や「非核3原則」、「武器輸出の禁止」などの原則も、当然のように無視されています。そしてこの「戦争路線」と憲法の矛盾は、これ以上ごまかしが難しくなり、「看板の掛け替え」で「改憲」を狙う「若い政権」を作らなくては乗り切れないと考えられています。
岸田首相が8月7日「国民投票では、自衛隊の明記を入れて欲しい」と指示したのち、総裁選不出馬を表明したことはその現れで、「軍事国家」つくりは、早速、2025年予算の概算要求では8兆5389億円の防衛費が計上されたことも報じられています。
私たちは、自民党総裁選の候補者、特に「世代交代」の対象とされる若手候補者が、「戦争の惨禍」と、平和憲法の「非戦・非武装」の精神と決意を学ぶことなく、「憲法改正は必要」「現状では自衛隊増強は必要」「核の傘なしに平和は守れない」など、間違ったプロパガンダに載せられていることを恐れています。ましてそれを「政見」と称して手放しで語るのを恐れます。メディアが、憲法の原則や戦後の精神を抜きに、「若さ」や「現代性」を報じ、評価することに、反省を求めます。
今回の自民党総裁選では、自民党の宿弊でもある岸信介首相時代から始まる統一協会・勝共連合との「癒着」と、80数人の自民党議員が「連座」した「裏ガネ疑惑」についても、使途の解明、カネの流れなどについて、何の説明もないまま、競われています。
メディアは、さすがに「裏金疑惑」については触れ、候補者たちに説明を求めていますが、いずれも答えはあいまいです。広く求められた「企業・団体の献金禁止」も、政治資金規正法の再改定もありません。候補者の中に「国民の要求」に応える回答は、軍事路線同様にありません。
自民党総裁選は、報じなければならないテーマです。しかし、報じるなら「自民党政治の長年の誤り」をきちんと指摘し、自民党だけでなく一般国民が政治の歪みをどう正すかが必要です。 メディアと、国民に、改めて訴えるものです。
2024年9月8日
「マスコミ九条の会・有志」(50音順) 呼び掛け人
今井 康之:元岩波書店役員
河野 慎二:日本ジャーナリスト会議運営委員、元日本テレビ
小林 義明:映画監督
杉山 隆保:元毎日新聞労組本部書記長
仲築間 卓蔵:マスコミ九条の会代表 元日本テレビプロデューサー
畑 泰彦:デザイン・ディレクター、元電通
丸山 重威:日本ジャーナリスト会議運営委員、元共同通信
梁取 洋夫:ジャーナリスト、元赤旗
山中 賢司:日本ジャーナリスト会議運営委員、元読売広告社
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