〈2026.1月号 書評〉雨宮処凛 (著)『25年、フリーランスで食べてます──隙間産業で生きていく』・・・仕事をこなす秘策・鉄則を大公開!  評者:鈴木 耕(編集者)



 めっちゃ(ちょっと若者風に)面白い「労働問 題解説書」である。どう すれば25年間もフリーランスで食べてこられたのか、その仔細な道筋。 その解説が見事に腑に落ちる。
 でもこれは著者の華麗なトリック。第1章「フ リーランスのノウハウ、すべて晒します」。小見 出しを追っていくだけで読者をその気にさせる。
 でもよく読むと、かなりヘヴィな内容だ。確かにこれを実践できれば、あなたもフリーランスとして、1本立ちできるかもしれない。その気にさせる筆力は、さすがに25年の蓄積が生きている。 文章中のゴシック活字を拾い読みしていくだけで、内容がきちんと理解できる仕組み。
 フリーランスの鉄則の数々、そんじょそこらの人間にできる技じゃないよな、秘策の公開だ。
 隙間を狙え、締め切りに遅れるな、好きなことは無償でもやれ、いつでも辞められる態勢を作っておけ、自分しかできないことをしろ、岐路に立ったら危ない方へ、SNSから身を守る方法、絶対にドタキャンしないなどなど。
 これは仕事上のアドバイスだが、極めて真っ当な生き抜く術でもある。つまらぬ「自己啓発本」 など足元にも及ばぬ具体的な道筋が懇切丁寧に示されている。
 働くことの意味、つまり労働問題解説書としても超一流なのだ。そんな生き方をしている人たちへのインタビューや、弁護士に訊くフリーランスの自衛法も。そして圧巻は雨宮処凛の半生を綴った第4章だ。疾風怒濤の25年がまるで映画のよう…。めっちゃ面白かったよ! 評者:鈴木 耕(編集者) (河出新書 1,100円) 

25年、フリーランスで食べてます──隙間産業で生きていく
河出書房新社 (2025/11/25)