〈2025.12月号 ‘25読書回顧〉増渕 あさ子 (著)『軍事化される福祉 米軍統治下沖縄をめぐる「救済」の系譜』・・・米軍統治下・沖縄での「福祉」 私のいちおし:謝花 直美(琉球大学准教授)
沖縄施政権返還(復帰)50年の2022年、沖縄県内の報道は占領下の様々な事象を取材した。 沖縄基地問題の源流となった、復帰闘争や政治分野からのアプローチに加え、人々の暮らしにも焦点をあてた企画が登場した。だがどれも「ア […]
〈2025.12月号 ‘25読書回顧〉朴 喆熙 (著)『誠信交隣 韓日と東アジアの未来を読む』・・・「近くて近い」日韓関係へ 私のいちおし:鈴木 伸幸(東京新聞編集委員)
石米トランプ大統領は自国中心主義を鮮明にし、日本では「日本人ファースト」を唱える政党が躍進。ウクライナに侵攻したロシアには中国と北朝鮮が急接近─。地政学的な変化が進む中、民主主義や資本主義といった価値観を共有する隣国の […]
〈2025.12月号 ‘25読書回顧〉樫田 秀樹(著)『最新報告 混迷のリニア中央新幹線』・・・日本を蝕み続ける〝国策〟事業 私のいちおし:高世 仁(ジャーナリスト)
石破首相は戦後80年所感で「歴史に正面から向き合う」必要を強調したが、その思索の〝タネ本〟の一つが猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦』(中公文庫)である。 太平洋戦争開戦直前、軍民から若手優秀を集めた内閣直属の「総力戦研究 […]
〈2025.12月号 書評〉野添 文彬(著)『大田昌秀──沖縄の苦悶を体現した学者政治家』・・・国家と対峙せざるを得ない孤独と苦悩の生涯を追う 評者:鈴木 耕(編集者)
私はかつて、大田昌秀『沖縄、基地なき島への道標』(集英社新書)を編集したご縁で、大田さんとは親しくお付き合いさせていただいた。 私は毎年のように沖縄へ通っていたが、行くたびに誘われて酒席を共にした。私にとっての大事な人 […]
〈2025.12月号 書評〉友寄 英隆(著)『人間とAI──社会はどう変わるか』・・・科学的社会主義の立場からAIとの対応を考える 評者:栩木 誠(元日経新聞編集委員)
レストランに行くとロボットが店内を駆け巡り、インターネットで用語検索をすると生成AIによる解説が登場する。今や私たちの生活の至るところに、AIが浸透している。「AIが透明性、管理、運営などに使えないようにする」とか「そ […]
〈2025.11月号 書評〉西方ちひろ(著)『ミャンマー、優しい市民はなぜ武器を手にしたのか』・・・非暴力から武装闘争へ──痛苦の転換 評者:鈴木 耕(編集者)
世界はいま、血と殺戮に満ちているとしか言いようがない…。 本書はミャンマー軍事政権の下で、市民たちの優しく切ない非暴力抵抗が、ついに武器を手にした闘争へと変貌していく過程を、現地での体験をもとに書き記したもの。軍事独 […]
〈2025.11月号 書評〉松島 京太 (著)『汚された水道水 「発がん性物質」PFASと米軍基地を追う』・・・地道な調査報道が現実を動かす貴重な成果 評者:中島 岳志(東京科学大学教授)
近年の東京新聞の調査報道には目をみはるものがある。中でも注目してきたのが、PFAS問題だ。本書は、その中核を 担ってきた著者による成果を纏めたものである。 PFASはフッ素と炭素が結合した人工の有機化合物で、様々な健康 […]
〈2025.11月号 書評〉加藤 喜之 (著)『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』・・・トランプ政権の支持基盤、特異な宗教集団の実像 評者:福嶋 亮大(立教大学教授)
今の米国は内戦の可能性もささやかれるほどに分断を深めているが、その根幹には宗教、特に世界の終末とキリストの再臨を信じる福音派の存在がある。 日本人にはつかみにくいその教義と歴史を、生き生きとした文体で描いた本書は、タイ […]
〈2025.11月号 書評〉阿部 菜穂子 (著)『アウシュヴィッツの聖人を追いかけて──ある被爆者と桜守の物語』・・・カトリック信仰と桜が結ぶ3人の求道者を追うドラマ 評者:堀江 学(国際教育交流フオーラム代表)
核実験の再開が言われる今日、本書が戦後80年の日本で出版されたことは、原爆投下での悲惨な体験を忘れてはならないという意味でも、たいへんに意義がある。 英国在住ジャーナリストの著者は、2016年に『チェリー・イングラム: […]
〈2025.11月号 書評〉兵庫県保険医協会/協会西宮・芦屋支部 (著)『阪神・淡路大震災30年、南海トラフ巨大震災に備える』・・・「災害列島日本」に必要な医療支援のノウハウ満載 評者:杉山 正隆(ジャーナリスト)
1955年1月17日午前5時46分に発生した大きな揺れ。死者・行方不明6437人、住宅全壊10万棟にもなる阪神・淡路大震災だ。 散乱するカルテや医療機器を片付け、けが人の診療や検死に追われながら、トラックやバイクを手配 […]
〈2025.10月号 書評〉徳田 靖之(著)『菊池事件 ハンセン病差別の壁をこえるために』・・・差別と排除に加担する司法の罪 評者:黒川 みどり(静岡大学名誉教授)
菊池事件は、1952年に熊本県で起きた爆破事件と翌年の殺人事件で、ハンセン病患者のFさんが犯人とされ無実を訴えながらも「特別法廷」で死刑を執行された。その背景にはハンセン病への偏見差別と、国家による隔離政策があった。「 […]
〈2025.10月号 書評〉橋本 健二(著)『新しい階級社会 最新データが明かす〈格差拡大の果て〉』・・・5つの階級に分かれた格差社会の実態を暴く 評者:栩木 誠(元日経新聞編集委員)
いまや日本社会の〝代名詞〟ともなったのが、 1980年代前後から顕在化してきた「格差拡大」である。格差が固定化され「新しい階級社会」が 創出されたのである。 前著『新・日本の階級 社会』で、その実態を描 いた著者が、「 […]












