JCJ書評
〈2026.1月号 書評〉雨宮処凛 (著)『25年、フリーランスで食べてます──隙間産業で生きていく』・・・仕事をこなす秘策・鉄則を大公開!  評者:鈴木 耕(編集者)

 めっちゃ(ちょっと若者風に)面白い「労働問 題解説書」である。どう すれば25年間もフリーランスで食べてこられたのか、その仔細な道筋。 その解説が見事に腑に落ちる。 でもこれは著者の華麗なトリック。第1章「フ リーラン […]

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〈2026.1月号 書評〉鈴木 宣弘 (著)『もうコメは食えなくなるのか──国難を乗り切るのにほんとうに大切なものとは』・・・地域の農と食と暮らしを強化する自給圏づくりの提唱  評者:栩木 誠(元日経新聞編集委員)

 日本の農業と生産者に‟塗炭の苦しみ“を味合 せてきた、安倍農政の継承を標榜する髙市政権の登場で、「日本のコメ作 り」は今や、その生命線 すら絶たれようとしている。歴代自民党政権が進めてきた「米国への胃袋の従属化」の動き […]

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〈2026.1月号 書評〉荻野富士夫 (著)『治安維持法と「国体」』・・・いま日本で急速に進む「新しい戦中」前夜の危機  評者:藤田 廣登(治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟顧問)

 昨年は治安維持法成立100年を迎え、治安維持法暴圧を告発する人々の運動が盛り上がりをみせた。同時に同法の研究も顕著な進展があった。 その一つが、荻野氏の『検証・治安維持法―なぜ「法の暴力」が蔓延し たのか』(平凡社)で […]

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〈2026.1月号 書評〉青木 理 (著)『闇の奥──頽廃する権力とメディア、そして仄かな光をめぐるルポ・時評集』・・・〈鹿児島県警の闇〉事件から見えるメディアの現実  評者:河野 慎二(ジャーナリスト)

 長年にわたり権力とメディアの「闇」を 追及してきた著者が、鹿児島県警察本部を舞台に展開された「闇の奥」の 腐蝕に光を照射した。 発端となったのはネットメディア「ハンター」 が2023年1月、「鹿 児島県警は性被害の捜査 […]

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〈2026.1月号 書評〉国武 貞克・佐藤 宏之(著)『南回り、北回りの遭遇、列島のホモ・サピエンス──新・日本旧石器文化の成立』・・・日本列島に到来した人類・旧石器文化の経路  評者:やまなか けんじ(JCJ運営委員)

 本書は、アフリカに起源を持つホモ・サピエンス(現生人類)が日本列島へ到来した足取りをユラシア東方への拡散という壮大な時間軸に位置付け直す試みである。長野・香坂山遺跡と広島・冠遺跡の発見を軸に、北回りと南回り、二つの経路 […]

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〈2025.12月号 ‘25読書回顧〉増渕 あさ子 (著)『軍事化される福祉  米軍統治下沖縄をめぐる「救済」の系譜』・・・米軍統治下・沖縄での「福祉」  私のいちおし:謝花 直美(琉球大学准教授)

 沖縄施政権返還(復帰)50年の2022年、沖縄県内の報道は占領下の様々な事象を取材した。 沖縄基地問題の源流となった、復帰闘争や政治分野からのアプローチに加え、人々の暮らしにも焦点をあてた企画が登場した。だがどれも「ア […]

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〈2025.12月号 ‘25読書回顧〉朴 喆熙 (著)『誠信交隣 韓日と東アジアの未来を読む』・・・「近くて近い」日韓関係へ  私のいちおし:鈴木 伸幸(東京新聞編集委員)

 石米トランプ大統領は自国中心主義を鮮明にし、日本では「日本人ファースト」を唱える政党が躍進。ウクライナに侵攻したロシアには中国と北朝鮮が急接近─。地政学的な変化が進む中、民主主義や資本主義といった価値観を共有する隣国の […]

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〈2025.12月号 ‘25読書回顧〉樫田 秀樹(著)『最新報告 混迷のリニア中央新幹線』・・・日本を蝕み続ける〝国策〟事業  私のいちおし:高世 仁(ジャーナリスト)

  石破首相は戦後80年所感で「歴史に正面から向き合う」必要を強調したが、その思索の〝タネ本〟の一つが猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦』(中公文庫)である。 太平洋戦争開戦直前、軍民から若手優秀を集めた内閣直属の「総力戦研究 […]

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〈2025.12月号 書評〉野添 文彬(著)『大田昌秀──沖縄の苦悶を体現した学者政治家』・・・国家と対峙せざるを得ない孤独と苦悩の生涯を追う  評者:鈴木 耕(編集者)

 私はかつて、大田昌秀『沖縄、基地なき島への道標』(集英社新書)を編集したご縁で、大田さんとは親しくお付き合いさせていただいた。 私は毎年のように沖縄へ通っていたが、行くたびに誘われて酒席を共にした。私にとっての大事な人 […]

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〈2025.12月号 書評〉友寄 英隆(著)『人間とAI──社会はどう変わるか』・・・科学的社会主義の立場からAIとの対応を考える  評者:栩木 誠(元日経新聞編集委員)

 レストランに行くとロボットが店内を駆け巡り、インターネットで用語検索をすると生成AIによる解説が登場する。今や私たちの生活の至るところに、AIが浸透している。「AIが透明性、管理、運営などに使えないようにする」とか「そ […]

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〈2025.11月号 書評〉西方ちひろ(著)『ミャンマー、優しい市民はなぜ武器を手にしたのか』・・・非暴力から武装闘争へ──痛苦の転換  評者:鈴木 耕(編集者)

 世界はいま、血と殺戮に満ちているとしか言いようがない…。  本書はミャンマー軍事政権の下で、市民たちの優しく切ない非暴力抵抗が、ついに武器を手にした闘争へと変貌していく過程を、現地での体験をもとに書き記したもの。軍事独 […]

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〈2025.11月号 書評〉松島 京太 (著)『汚された水道水 「発がん性物質」PFASと米軍基地を追う』・・・地道な調査報道が現実を動かす貴重な成果  評者:中島 岳志(東京科学大学教授)

 近年の東京新聞の調査報道には目をみはるものがある。中でも注目してきたのが、PFAS問題だ。本書は、その中核を 担ってきた著者による成果を纏めたものである。 PFASはフッ素と炭素が結合した人工の有機化合物で、様々な健康 […]

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