〈2024年度 JCJ 賞受賞記念 Online講演会〉「なぜ裁判官はこうも堕落したのか」  後藤 秀典さん(ジャーナリスト)


■開催趣旨:
 2024年度JCJ賞出版部門では『東京電力の変節』(旬報社、昨年9月刊行)が選ばれた。著者のジャーナリスト・後藤秀典氏は、福島原発事故は「国に賠償責任はない」と判決を言い渡した最高裁裁判官と東京電力、巨大法律事務所の3者がアンダーグラウンドで結びついていることを本書で浮き彫りにした。司法の場でもこんな〝闇〟があるのかと愕然とすると同時に失望もした。それだけではない、怒りがふつふつと湧いてきた。後藤氏によると、高裁、地裁の下級審の裁判官も、公正・公平の使命を裏切る行為が少なくないという。なぜ裁判官はこうも堕落したのか。受賞作と月刊誌『地平』(地平社)に連載中「ルポ司法崩壊」の取材から導き出したその理由を後藤氏が語る。

■講演者プロフィール:後藤 秀典(ごとう・ひでのり)
ジャーナリスト。1964年生まれ。日本電波ニュース社、ジン・ネット勤務を経て、2020年からフリーランス。テレビの報道ドキュメンタリー番組でディレクター、プロデューサーを務める。福島第一原発事故、社会保障制度問題などを取材。
主な作品:TBS報道特集『生活保護を受けられずに餓死する悲劇』『暴力とピンハネ 原発作業現場で起きていたこと』、NHクローズアップ現代『広がる〝労働崩壊〟』(2016年ギャラクシー月間賞)、NHK明日へ『分断の果てに〝原発事故避難者〟は問いかける』(2020年貧困ジャーナリズム賞)等々。著書『東京電力の変節 最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃』(2023年旬報社・貧困ジャーナリズム大賞、JCJ賞受賞)

※後藤 秀典さん X(旧twitter):https://x.com/hidenorig

【JCJ賞】後藤秀典 『東京電力の変節 最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃』 旬報社
 
■以下、9月9日・JCJ賞決定の報道発表より
 福島第1原発事故から14年、責任が明確にされた東京電力は避難者たちが起こした損害賠償請求訴訟を数多く抱えたままだ。その訴訟の過程で加害者である被告東電が原告の被害者たちを、あたかも安逸な生活を享受しながら無理難題を求めているかのように攻撃をする現象が生まれている。賠償を出し渋るための「変節」である。その背景にある最高裁と巨大法律事務所という司法エリートと東電との結びつきを探ったのが本書である。
著者は2022年に出された、国に原発事故の責任はないとした最高裁判決(6.17判決)を下した3名の判事の経歴・人脈を追い、彼らが巨大法律事務所をはじめ国や法曹界、産業界のさまざまな機関と密接に関わっていることを明らかにしていく。その構造は本書にある「電力会社・最高裁・国・巨大法律事務所の人脈図」を見れば一目瞭然だ。原子力規制庁のメンバーで一審では国側の指定代理人であった弁護士が控訴審では東電の代理人として登場するという事実には呆れるほかない。この弁護士はもちろん巨大法律事務所の所属である。
本書は原発問題をテーマとして書かれ、「原子力ムラ」には司法エリートも含まれていることがはっきりする。同様なことは日本の他の多くの分野でも起きているであろう。日本における司法の独立は国家の圧力との関係で問われてきたが、「民間」の巨大法律事務所というモンスター的存在が権力の補完機能として働いているという事実を具体例を挙げて告発した作品として推薦する。

■オンライン講演開催日時:11月30日(土)14:00〜16:00(zoomにてオンライン 、見逃し視聴用記録動画の配信有り)

■参加費:500円
当オンライン講演会に参加希望の方は­Peatix(https://jcjonline1130.peatix.com)で参加費をお支払いください。

※スマホでQRコード読み取り、お申し込み出来ます
(JCJ会員は参加費無料・先着100名の定員となります)

■主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)
    03–6272-9781(月水金の13時から17時まで)
      https://jcj.gr.jp/

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