〈JCJ声明〉ロシアは、ウクライナから撤兵せよ
ロシアによるウクライナへの軍事行動は、国際的に禁じられた侵略行為そのものであり、ウクライナ市民の平和な日常を踏みにじる蛮行で、断じて許されない。過去の日本の侵略戦争への加担を反省し、平和を願う私たち日本ジャーナリスト会議(JCJ)は沈黙することが出来ない。ロシアの即時撤兵を強く求める。
2月下旬に始まったロシア軍のウクライナ侵攻は、主権平等や紛争の平和的解決、各国の領土保全と政治的独立を定めた国連憲章などの国際法に違反する。何よりも、ロシア軍の攻撃によって、何の罪もないウクライナの市民や子どもが殺傷され続けている現状に、私たちは日々、胸の痛む思いを抱いている。
世界各国で反戦デモが広がり、国連総会はロシア軍の即時完全無条件撤退を求める決議案を141か国の賛成で採択した。ロシア国内においても、勇敢な市民が反戦デモをし、知識人らが「軍事行動に断固として反対する」との意思を表明していることに励まされる。
多くの国がロシアへの経済制裁に踏み切り、北京冬季パラリンピックからはロシアと、協力するベラルーシの選手団が除外された。制裁は結局、国民にのしかかる。プーチン政権の暴挙は、ウクライナの人々だけではなく、ロシアの人々をも苦しめるのだ。
今や圧倒的多数のウクライナ国民が、侵略と闘う政府を支持し、自ら祖国防衛に立ち上がっているという。ロシアの愚行はかえってウクライナを団結させた。仮に軍事侵攻により一時的に政権を転覆しても、ウクライナ国民の抵抗は長く続くだろう。
焦るプーチン政権は核兵器の威嚇まで口にし、原発を攻撃した。だが、それは制御不能の事態を招く危険きわまりない発想であり、人類に対する威嚇だ。戦争の実態を隠すため、報道の自由を奪う強権措置も人権への挑戦だ。
プーチン政権が今なすべきことは、直ちに攻撃をやめ、ウクライナから完全撤兵すること。そして侵略の償いを誠実に行うこと以外にない。世界は見ている。
2020年3月7日
日本ジャーナリスト会議