〈JCJシンポジウム〉「戦争とメディア—21世紀の世界と日本国憲法」

ロシアによるウクライナ侵攻で、市民や子どもたちに多くの犠牲が出ている。これを好機と、日本国内では「核共有論」が首をもたげ、自民党は改憲を一気に推し進めようとしている。その中で「メディアは戦争の熱狂を煽る」(佐藤学東大教授のあいさつ)という危険性に焦点を当てながら、パネリストが様々に論じた。加藤陽子さんは「満州の土地を分配すれば子どもを中学に進学させられる」と戦前、日本の軍人が農民向けに時局講演会で煽った歴史に触れた。青木理さんは米国の諜報機関がロシアのウクライナ侵攻の可能性をいち早く知りながら「本気で戦争を止めようとする気配が米国になかったことが不思議だ」と語った。高橋純子さんは核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバーでも参加する意思を示さない岸田首相の姿勢を批判。水島朝穂さんは「国連憲章は広島、長崎に原爆が投下される前(1945年6月)にできた。だから同憲章は原爆を知らない」と指摘し、核の悲惨な現実を目の当たりにして生まれた日本国憲法とその平和主義の意義を強調した。



パネリスト:加藤陽子さん(東大教授・日本近現代史)
      青木理さん(ジャーナリスト)
      高橋純子さん(朝日新聞編集委員)
      水島朝穂さん(早大教授・憲法学)
司 会 進 行:藤森研さん(JCJ代表委員)
日   時:2022年5月14日(土) 13:00〜16:00

会場:LOFT9(東京都渋谷区円山町1–5 KINOHAUS 1階)
主催:学問と表現の自由を守る会 https://academicfreedom.jp/
  :日本ジャーナリスト会議
記録動画(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=61MhRB9BHW0