〈JCJ 12月集会 Onlineシンポジウム〉「入管行政の闇――失踪・暴力・医療放置はなぜ?」

■開催趣旨:
「技能実習」の名で使い捨てにされ、失踪する人が少なくない。外国人労働者が置かれたそんな厳しい境遇が、ようやく広く注目され始めた。3月には、名古屋入管に収容されたスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが、医療放置の末に痛ましい死を遂げた。市民の間に人権軽視の日本の入管行政への批判が高まり、問題を正視しようとしない入管法改正案は採決見送りに追い込まれた。
今年の〈JCJ 12月集会〉は、「入管行政の闇」をテーマに、オンラインでシンポジウムを開きます。パネリストは、技能実習生の失踪の構造を暴いた信濃毎日新聞連載「五色のメビウス」を率いた報道部次長の牛山健一さん、暴力、医療放置が横行する入管施設内の実態を暴き、新書『ルポ入管』にまとめた共同通信記者の平野雄吾さん、若い仲間たちと入管の人権侵害への抗議行動を始めた国際基督教大学1年生の宮島ヨハナさんの3人です。「五色のメビウス」『ルポ入管』は、そろって今年のJCJ大賞に輝いた作品です。(2021.12.12 14:00〜16:00)

■開催後記:
今年のJCJ 12月集会は、「入管行政の闇」をテーマに、オンラインでシンポジウムを開いた。パネリストは、技能実習生の失踪の構造を暴いた信濃毎日新聞連載「五色のメビウス」を率いた報道部次長の牛山健一さん、暴力、医療放置が横行する入管施設内の実態を暴き、新書『ルポ入管』にまとめた共同通信記者の平野雄吾さん、若い仲間たちと入管の人権侵害への抗議行動を始めた国際基督教大学1年生の宮島ヨハナさんの3人。
「技能実習」の名で使い捨てにされる外国人労働者の問題や、名古屋入管に収容され亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんのこと、透明性を欠く日本の入管行政などついて現場報告があった。

左から 牛山さん、平野さん、宮島さん
ルポ 入管 ――絶望の外国人収容施設
平野雄吾 (著)

■パネリストプロフィール:
・牛山 健一(うしじま けんいち)1969年長野県生まれ。早稲田大学卒。信濃毎日新聞に入社、佐久、飯山、伊那各支社局、東京支社などを経て、編集局報道部県政キャップを務め、主に政治、自治、交通、環境を取材。2014年から報道部デスク。若者の政治・社会参加の連載を手掛けたほか、外国人労働者らを追った連載「五色のメビウス」の取材班代表・デスクとして2021年JCJ大賞を受けた。現在報道部次長・部長待遇。

・平野 雄吾(ひらの ゆうご)1981年東京都生まれ、一橋大学大学院経済学研究科修了。共同通信記者。前橋、神戸、福島、仙台の各支社局、カイロ支局、特別報道室、外信部を経て、現在エルサレム支局長。著書『ルポ入管ーー絶望の外国人収容施設』で2021年JCJ大賞を受けた。共著に『労働再審2ーー越境する労働と〈移民〉』『東日本大震災復興への道ーー神戸からの提言』などがある。

・宮島 ヨハナ(みやじま よはな)2002年静岡県生まれ。国際基督教大学1年生。牧師の父が支援する外国人仮放免者らと幼時から接した。高校の卒論調査で入管施設内の人権侵害を知る。名古屋入管で起きたウィシュマさん死亡事件の「真相究明を求める学生・市民の会」に参加、#Justice for Wishmaのハッシュタグをつくり抗議行動を呼びかけた。学内で難民・移民支援サークル「IRIS」を立ち上げ、共同代表に。

・司会進行:藤森 研(ふじもり けん)JCJ代表委員・元朝日新聞論説委員