〈JCJ Onlineシンポジウム〉玉城デニー沖縄県知事との対話…「基地なき未来のために」
■開催趣旨:
軍事基地なき平和な未来――これは沖縄を含む日本の人々の大きな夢だろう。核兵器禁止条約が発効し、核廃棄の運動はさらに広がろうとしている。この流れの中で、沖縄に背を向けたまま、菅義偉内閣は誕生した。米国ではバイデン氏が大統領の座に就くことが確実になった。日米ともに新体制がスタートする。その節目のときに、改めて在日米軍専用施設が集中する沖縄にスポットを当てる。玉城デニー知事との対話を通して、これからの沖縄と日本の平和について考えたい。
沖縄に基地を押し付けている現状をどう変えていくか。軟弱地盤が問題となっている辺野古新基地建設は果たして「唯一の解決策」なのか。沖縄の人たちと本土の人々は何をすべきか。コロナ問題を克服し、観光と農漁業で栄える島を実現することができたら、本土の各地にも大きな希望をもたらすのではないか。率直な対話で理解を深めたい。 (2020.11.22)
■開催後記:
ZOOMによるオンライン開催。沖縄県知事・玉城デニーさん、毎日新聞専門記者・大治朋子さん、BS-TBS「報道1930」コメンテーター・堤伸輔さん、フリー編集者・鈴木耕さんが沖縄のこれからについて話し合った。
軟弱地盤が問題となっている辺野古新基地建設は技術的にも無理であり、菅内閣が政策を転換すべきであること、沖縄返還50年となる2022年を機に、米軍専用施設の約70%を引き受けている沖縄の現状を変え、50%にまで減らすビジョンを作るなどの考えを知事は示した。
■登壇者のプロフィール
・沖縄県知事・玉城 デニー(たまき でにー)
1959年生まれ。沖縄県うるま市(旧与那城村)出身。1981年に上智社会福祉専門学校卒業。1991年頃にラジオパーソナリティ、タレント。2002年・沖縄市議会議員選初当選(1期)、09年・衆議院議員選初当選(4期)、18年9月に沖縄県知事初当選、現在に至る。趣味は映画鑑賞、バンド、ドライブ、読書、他。座右の銘は「夢は必ず叶う」「天は正論に信念と勇気を与える」(沖縄県ホームページから)
・毎日新聞専門記者・大治 朋子(おおじ ともこ)
1989年入社。東京社会部、ワシントン、エルサレム特派員。英オックスフォード大学ロイタージャーナリズム研究所客員研究員。テルアビブ大学大学院など修了。2002~03年の防衛庁(当時)による個人情報不正使用に関する報道でJCJ 大賞と新聞協会賞(2年連続)受賞。10年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。最新刊に「歪んだ正義―『普通の人』がなぜ過激化するのか」
・BS-TBS「報道1930」コメンテーター・堤伸輔(つつみ のぶすけ)
1980年、東京大学文学部を卒業し、新潮社に入社。 松本清張を担当し、国内・海外の取材に数多く同行する。 塩野七生『ローマ人の物語』の編集を経て、 2004年から2009年まで国際情報誌『フォーサイト』編集長。 その後、『ドナルド・キーン著作集』を担当。 2018年10月よりBS-TBS「報道1930」で解説を務める。
・フリー編集者・鈴木 耕(すずき こう)
1945年、秋田県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業後、集英社に入社。「月刊明星」「月刊PLAYBOY」を経て、「週刊プレイボーイ」「集英社文庫」「イミダス」などの編集長。99年「集英社新書」の創刊に参加、新書編集部長を最後に退社、フリー編集者・ライターに。著書に『沖縄へ 歩く、訊く、創る』(リベルタ出版)など。