〈JCJ声明〉岸田政権の「戦後・安保政策大転換」に抗議し、安保3文書、軍拡予算の撤回と、国会解散・総選挙を求める

岸田内閣は昨年12月「国家安全保障戦略」など「安保3文書」、前年度から約1.4兆円増額した防衛費を含む23年度予算案を決定。首相は、記者会見で「戦後安保政策の大転換だ」と強調し、1月の米国ジョンズ・ホプキンス大学大学院での講演では「吉田元首相の日米安保条約締結、岸首相の安保条約改定、安倍首相の平和安全法制策定に続く歴史上最も重要な決定」と述べた。
岸田政権は、日本国憲法の下で確認し続けてきた「専守防衛」の原則まで投げ捨て、敵基地攻撃を目的とした武器を保有しようとし、防衛費をGDP1%以下とすることで「軍事大国」とならず、「武器輸出3原則」で「死の商人」にはならない」と決意してきた国の形「戦争をしない平和国家」を、公然と「戦争する国家」へと変えようとしている。
さらに、戦後日本の科学技術政策が民主的・平和的に進められるべきだとした日本学術会議の再編や、国際的にも最大の福島第一原発事故の諸問題や核廃棄物の処理が全く進んでいない中での原発再稼働・新設、核燃料再処理や核融合の計画再開をもくろむなど、不条理な政策転換を、国会の閉会中を狙って進めてきた。
特に私たちは、ロシアのウクライナ侵攻や台湾有事への懸念を利用した危機宣伝、税か国債かという先走った財源論、なじみのない軍事用語の乱用などによって岸田内閣が国民をごまかし、民主主議に反して独裁的に進めていることを許すわけにいかない。
このことは、問題の重要性にも拘らず、メディアの報道を不十分にする結果を生み、事実は報じられても、その意味や問題点は見過ごされ、国民は事実上、置き去りにされている。私たちはかつての戦争の時代、最初は軍部と軍拡を批判していた新聞が、やがて国民を戦争に駆り立て、動員していった事実を痛恨の念と共に忘れることはできない。「再び戦争のためにペンを、カメラを、マイクを取らない」と誓って再スタートした日本のジャーナリストは、こうした事態を放置するわけにはいかない。
私たち日本ジャーナリスト会議は、いま、日本国憲法のもと「真実の報道」を貫き、戦争に向かう道を阻止することを決意し、安保3文書、軍拡予算の撤回と岸田内閣の退陣、国会解散・総選挙を求める。

                   2023年2月6日

                        日本ジャーナリスト会議〈JCJ〉





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