JCJ書評
〈2025.6月号 書評〉英 伸三(著)『老街茶館──英 伸三、中国江南を撮る』・・・茶館に集う中国庶民の姿を生き生きと捉える  評者:中村 梧郎(JCJ代表委員)

 上海西郊・朱家角鎮の倶楽部茶館に始まり、永昌鎮の南に至る地域の36軒を収めている。中国の文人墨客や庶民に愛された茶館ラオジエ(は、憩いの場であり、情報交換や商談の場でもあった。本書の写真には人の暮らしや人情が暖かく滲ん […]

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〈2025.5月号 書評〉樋口 英明(著)『原発と司法──国の責任を認めない最高裁判決の罪』・・・被災地の人々から学ぶ 痛みを伴う貴重な教訓  評者:松久 保肇(原子力資料情報室・事務局長) 

 本書は著者である樋口英明元裁判官が、明快に原発の危険性を説く。彼は福井地裁による2014年の関西電力大飯原発3・4号機運転差し止め判決、同じく福井地裁による2015年の関西電力高浜原発3・4号機の運転差し止め仮処分決定 […]

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〈2025.5月号 書評〉藍原 寛子(著)『震災後を生きる13人の物語──フクシマ、能登、そしてこれから』・・・被災地の人々から学ぶ 痛みを伴う貴重な教訓  評者:坂本 充孝(ジャーナリスト) 

 天災は故郷を壊わし、生活をなぎ倒し、心を打ちのめす。そんなとき人は、どうやって起き上がり、歩き始めるのか。東 日本大震災と能登半島地震。二つの災害現場を舞台に復興に力を尽くす13人の物語を、福島在住の著者が丹念に追跡す […]

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〈2025.5月号 書評〉宮田 律(著)『イスラエルの自滅──剣によって立つ者、必ず剣によって倒される』・・・国家存亡の危機にある衝撃的な実態と要因を解く  評者:栩木 誠(元日経新聞編集員) 

  英国の〝三枚舌外交〟の所産ともいえる、イスラエルの建国を契機に、約80年にわたり、戦火が絶えないパレスチナ。今も国際法を無視した、イスラエルによるガザ地区などへの非人道的な攻撃が続く。今回の侵攻以降だけでも、子どもを […]

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〈2025.5月号 書評〉永野 慎一郎(著)『秘密資料で読み解く──激動の韓国政治史』・・・韓国民が自らの闘いを通して民主主義を勝ち取った軌跡  評者:鈴木 耕(編集者) 

 昨年12月4日、韓国の尹 錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が突然、非常戒厳布告したのには、誰しも度肝(どぎも)を抜かれたに違いない。 民主国家において、国内や周辺地域で特段の危機的状況が起きていないにもかかわらず、非常事 […]

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〈2025.5月号 書評〉菅沼 堅吾(著)『東京新聞はなぜ、空気を読まないのか』・・・ズバリ本質を突く報道 言葉でごまかす政治を許すな  評者:丸山 重威(ジャーナリズム研究者) 

 著者は東京新聞が2014年にJCJ大賞を受賞したときの編集局長だった。受賞理由は「憲法、安保、原発―ズバリ核心を突く1面の<論点明示報道>」であった。本書で著者は「受賞の知らせを聞いたときは正直、戸惑った。『論点明示報 […]

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