〈JCJ声明〉市民を殺すな! 子どもたちを殺すな! イスラエルのガザ攻撃に抗議し、即時停戦を要求する。

 私たち日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への無差別で非人道的な攻撃に強く抗議し、攻撃の即時停止・終結を求めます。
 2007年以降ガザ地区をフェンスや高い壁によって「天井なき監獄」といわれる逃げ場のない状況に閉じ込め、空爆・砲撃と侵攻・殺りくを繰り返してきたイスラエルの暴力は人道的に許されるものではありません。しかも今、国際世論を無視しガザ地区を封鎖して燃料、水、電気、食料、医薬品の供給を遮断し、人々を飢餓と病死に追い込んでいます。病院や学校までも爆撃するなど「子供たちの墓場」と報じられた過酷な包囲攻撃を続け、地上侵攻を本格化させています。

 JCJ はこれに強く抗議します。イスラエルは国際法に則ってガザ地区の封鎖を解除し、占領地から今すぐ撤退しなければなりません。
私たちはまた、ハマスによるイスラエルへの武力攻撃と人質の拉致、殺害に対しても人道的立場から強く抗議します。仮にイスラエルの執拗で残酷な侵略と弾圧に抵抗するという理由であったとしても、無謀な攻撃を仕掛けてイスラエルの市民を殺害し、人質として拉致し、パレスチナの民を巻き添えにしたことは許されない過ちです。人質全員の即時解放を要求します。

 この事態に対し、日本政府はアメリカに追従し曖昧な姿勢をとり続け、実態としてイスラエルの蛮行を許容しています。国連総会の「人道的休戦決議」に棄権したこと、およびG7外相会議の共同声明でハマスの攻撃を一方的に非難してイスラエルの「自衛権」を擁護、イスラエルによる国際法と人道に反する大量殺りく・大量破壊を事実上許容していることについて、断固として抗議します。

 人々を死に追いやったアジア・太平洋戦争の反省に基づき「ふたたび戦争のためにペン、カメラ、マイクを持たない」と誓った私たち JCJ は、武力による問題解決に反対し、市民を犠牲にする戦争を許しません。国際社会は、即時に戦争を停止させ、パレスチナとイスラエルの共存を実現させ、この地の誰もが平和な人間らしい生活を送る権利を保障していく義務があります。とりわけ中東を植民地として分割統治し自国の利益としてきた西欧諸国はイスラエルの建国によるパレスチナ人の排除と土地の略奪に対して大きな責任があり、背を向けることは許されません。イスラエルの軍事的な後ろ盾となってきた米国の姿勢も問われています。

 さらに私たちは、問題の実相を世界に伝えようとする現地ジャーナリストが数多く犠牲になっていることを看過するわけにはいきません。「国境なき記者団」は過去1カ月間の衝突によってジャーナリスト41人が死亡したと伝えています。ジャーナリストへの攻撃は世界の全ての人々の「知る権利」への攻撃であり、多くの子どもたちや市民の命を奪う国家的な蛮行を隠すことにつながります。私たちは、現地で事実を伝え続けるジャーナリストに連帯の意を表明します。

                     2023年11月15日     日本ジャーナリスト会議(JCJ)